ドラム女と男達



しばらくすると
サトは私の手を握って
教室まで連れて行った。


教室に入ると
みんなの痛い視線が感じられた。


ふと前を見ると
そこには
号泣している加奈と
それをなだめる 麻耶と穂積。

それを見て
シュンスケが言う。

「俺が無理やりしただけ。こいつには関係ねえからな。」

加奈は黙ったまま下を向いていた。



サトは5組なので
リョウとバトンタッチして
サトとタカチャンとシュンスケが教室に帰っていく。

「秋を頼んだぞ」
コソッとリョウにそういって その場を去るサト。

私はその影を最後まで見つめていた。
< 71 / 148 >

この作品をシェア

pagetop