夢に君を想う話
夢に君を想う話
私と君は恋人で。


私と君は下手くそだった。




「クリスマスなのにケーキなしってありえなくない?」


「仕方ないだろ、もう売り切れてたんだから」




時計の針が22時を回る中、アパートの狭い一室で私と君は今日もまた、つまらない喧嘩をする。




「それなら早くに高校の時の部活の集まりから抜ければ良かったじゃん!」


「そーゆーわけにはいかないだろ。後輩たちもいたんだし」


「秋はいつもそう。部活とか大学とか言い訳にして、私との約束破るんだ」




コートを脱ぎながら言い訳をする恋人の秋に、私は抑えきれない憤りをぶつけた。


テーブルに並べた料理はとっくに冷え切っている。
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