没落人生から脱出します!
自由に動くフレディをここに近づけないために、彼らは、フレディを王都にやる選択をしたのだろう。
少し寂しい気もするが、きっとこれでよかったのだ。
エリシュカとリーディエがそう納得しあった二週間後、嵐はやってきた。
「頼む! 何でもいいから仕事を紹介してくれ」
両手を揃えて拝んでいるのは、モーズレイ氏である。
フレディがいなくなり、家庭教師という職を失った彼は、現在中古で買った屋敷の支払いに追われているのだ。
「最初の話じゃ、一年間は確実にって言ってたのに」
「事情が変わったんでしょう。仕方ないじゃないですか。まさかフレディ様の体術の教師だけしか仕事がなかったわけじゃないんでしょう?」
エリシュカが尋ねると、モーズレイ氏は大きな体で肩を落とした。
「それはそうだが、あの家の給料が一番、良かったんだ。代わりに体術教室を始めてみたが、全然人が集まらなくてな」
体術を専門に見て欲しいと願う貴族は多くはないだろうし、平民は、そもそも習い事をする余裕のない家がほとんどだ。
「どうでもいいけれど、営業妨害ですよ、モーズレイさん」
見かねたヴィクトルが口を挟んでくる。
「うちは魔道具店なのでね。体を使う仕事を探したいなら斡旋所に行った方がいいですって」
「もう行った! 今はないとあっさり追い返されたんだ」
「だからってウチで叫ばないでくださいよ」
少し寂しい気もするが、きっとこれでよかったのだ。
エリシュカとリーディエがそう納得しあった二週間後、嵐はやってきた。
「頼む! 何でもいいから仕事を紹介してくれ」
両手を揃えて拝んでいるのは、モーズレイ氏である。
フレディがいなくなり、家庭教師という職を失った彼は、現在中古で買った屋敷の支払いに追われているのだ。
「最初の話じゃ、一年間は確実にって言ってたのに」
「事情が変わったんでしょう。仕方ないじゃないですか。まさかフレディ様の体術の教師だけしか仕事がなかったわけじゃないんでしょう?」
エリシュカが尋ねると、モーズレイ氏は大きな体で肩を落とした。
「それはそうだが、あの家の給料が一番、良かったんだ。代わりに体術教室を始めてみたが、全然人が集まらなくてな」
体術を専門に見て欲しいと願う貴族は多くはないだろうし、平民は、そもそも習い事をする余裕のない家がほとんどだ。
「どうでもいいけれど、営業妨害ですよ、モーズレイさん」
見かねたヴィクトルが口を挟んでくる。
「うちは魔道具店なのでね。体を使う仕事を探したいなら斡旋所に行った方がいいですって」
「もう行った! 今はないとあっさり追い返されたんだ」
「だからってウチで叫ばないでくださいよ」