没落人生から脱出します!
エリシュカは自分の隣の芝生をポンポンと叩く。そろそろと近づいたリアンの腕を引っ張り、並んで座るように言った。
そして、くっついた膝の上に上着を置いた。
「これならふたりともあったかいよ」
「お嬢……」
「へへっ、コタツみたいだね」
「コタツ?」
「あっ、これもニホンの言葉なの」
エリシュカは、一生懸命コタツについて説明する。
テーブルの天板の下に熱源があって、毛布を被せることで保温され、足もとがホカホカして温かくて幸せな気分になるということ。
「お嬢は冷え性ですもんね」
「コタツいいんだよぉ。あったかくてねぇ」
頬を赤く染めながら、うれしそうに語るエリシュカはかわいくて。
「……だったらいつか、俺が作ってあげますね」
リアンは深く思考する前にそう口にしていた。こんな風に笑ってくれるなら、何でも叶えてあげたいと思う。
エリシュカはうれしくて締まりの悪くなった口もとを隠すため、リアンの上着をギュッと握って引き上げた。
「そのときは、リアンも一緒に入ってね」
「はい」
十歳と七歳の小さな約束。しかも、果たされるとは思えない約束だったが、リアンはそれがうれしかった。絡めた小指も『指きんげんまん』という謎の文言も、ずっと覚えていようと心に刻んだ。
そして、くっついた膝の上に上着を置いた。
「これならふたりともあったかいよ」
「お嬢……」
「へへっ、コタツみたいだね」
「コタツ?」
「あっ、これもニホンの言葉なの」
エリシュカは、一生懸命コタツについて説明する。
テーブルの天板の下に熱源があって、毛布を被せることで保温され、足もとがホカホカして温かくて幸せな気分になるということ。
「お嬢は冷え性ですもんね」
「コタツいいんだよぉ。あったかくてねぇ」
頬を赤く染めながら、うれしそうに語るエリシュカはかわいくて。
「……だったらいつか、俺が作ってあげますね」
リアンは深く思考する前にそう口にしていた。こんな風に笑ってくれるなら、何でも叶えてあげたいと思う。
エリシュカはうれしくて締まりの悪くなった口もとを隠すため、リアンの上着をギュッと握って引き上げた。
「そのときは、リアンも一緒に入ってね」
「はい」
十歳と七歳の小さな約束。しかも、果たされるとは思えない約束だったが、リアンはそれがうれしかった。絡めた小指も『指きんげんまん』という謎の文言も、ずっと覚えていようと心に刻んだ。