没落人生から脱出します!
* * *
セナフル邸に来てから、エリシュカは毎日、ブレイクに魔道具作りの基礎を教えてもらっていた。ブレイクの蔵書には魔道具関連のものが多くあり、夜はそれを読みふける。
エリシュカは学ぶことが楽しかった。普段身の回りにあるものは、誰かの不便な気持ちを聞いて、誰かがそれを解消しようとしてできあがったものだ。無個性な物にも、できるまでには物語がある。それを知るのがおもしろかったし、前世の知識から新しい機能を考えるのも楽しい。
ブレイクの屋敷で過ごしたおかげで、エリシュカの知識はたった一週間ほどでものすごく増えた。
魔道具は、前世での電気に近しいものだが、それだけではなく、生命エネルギーのような側面もある。人間の生命維持に必要なものだ。
「人間から人間に渡しているだけじゃ、共倒れになるってことだよね」
朝食後、部屋で休んでいるブレイクのことを思い出して、エリシュカはひとりごちた。
ブレイクの生活は、レオナへの魔力供給に重きが置かれている。
彼が作ったというレオナに埋め込まれた魔道具は、与えられた魔力から完全に属性を取り除き、体中に循環させるというものだ。属性を除く工程でも魔力を使うため、実際に体に流せる魔力は半分になってしまう。
だから、ブレイクの魔力がどれほど豊富でも足りない状態なのだ。
朝にレオナに魔力供給をした後は、休まないとブレイク自身が動けない。
セナフル邸に来てから、エリシュカは毎日、ブレイクに魔道具作りの基礎を教えてもらっていた。ブレイクの蔵書には魔道具関連のものが多くあり、夜はそれを読みふける。
エリシュカは学ぶことが楽しかった。普段身の回りにあるものは、誰かの不便な気持ちを聞いて、誰かがそれを解消しようとしてできあがったものだ。無個性な物にも、できるまでには物語がある。それを知るのがおもしろかったし、前世の知識から新しい機能を考えるのも楽しい。
ブレイクの屋敷で過ごしたおかげで、エリシュカの知識はたった一週間ほどでものすごく増えた。
魔道具は、前世での電気に近しいものだが、それだけではなく、生命エネルギーのような側面もある。人間の生命維持に必要なものだ。
「人間から人間に渡しているだけじゃ、共倒れになるってことだよね」
朝食後、部屋で休んでいるブレイクのことを思い出して、エリシュカはひとりごちた。
ブレイクの生活は、レオナへの魔力供給に重きが置かれている。
彼が作ったというレオナに埋め込まれた魔道具は、与えられた魔力から完全に属性を取り除き、体中に循環させるというものだ。属性を除く工程でも魔力を使うため、実際に体に流せる魔力は半分になってしまう。
だから、ブレイクの魔力がどれほど豊富でも足りない状態なのだ。
朝にレオナに魔力供給をした後は、休まないとブレイク自身が動けない。