没落人生から脱出します!
午後には、リアンと共に『魔女の箒』へと向かう。馬に乗れないエリシュカのために馬車を用意してくれたのだが、丁寧にエスコートされ、いつもと勝手が違うことにドキドキしてしまう。
「リ、リアン。私ひとりでも乗れます」
「俺のエスコートが気に入らないのか?」
「そうじゃないですけど! 慣れないから恥ずかしいんです」
照れまくるエリシュカに、リアンはふっと微笑んだ。
「求婚している女性に対して、あたり前の態度をとっているだけなんだがな」
「き、求婚って……!」
「……お前、ちゃんと聞いてたか? 俺の昨日の話」
聞いていたし、ブレイクに念押しまでされて、あれがプロポーズだったことは理解した。
でもエリシュカにとっては、両思いだと分かったことだけでもすごすぎて、受け止めきれずにいる。
「まあ、結婚の話は、もう少し事業を軌道に乗せないと進められない話だからな。暴走するのは辞めておく。ブレイク様にも散々怒られたからな」
どうやらブレイクは、恋愛下手なふたりのためにいろいろと間に入ってくれているらしい。
「でも、恋人だとは思ってもいいんだろ?」
甘い声。恥ずかしすぎて、リアンの顔が見れない。
「う、うん」
頷いたら、指先が触れた。ギュッと手を握られて、エリシュカは小さな幸せを実感する。
「リ、リアン。私ひとりでも乗れます」
「俺のエスコートが気に入らないのか?」
「そうじゃないですけど! 慣れないから恥ずかしいんです」
照れまくるエリシュカに、リアンはふっと微笑んだ。
「求婚している女性に対して、あたり前の態度をとっているだけなんだがな」
「き、求婚って……!」
「……お前、ちゃんと聞いてたか? 俺の昨日の話」
聞いていたし、ブレイクに念押しまでされて、あれがプロポーズだったことは理解した。
でもエリシュカにとっては、両思いだと分かったことだけでもすごすぎて、受け止めきれずにいる。
「まあ、結婚の話は、もう少し事業を軌道に乗せないと進められない話だからな。暴走するのは辞めておく。ブレイク様にも散々怒られたからな」
どうやらブレイクは、恋愛下手なふたりのためにいろいろと間に入ってくれているらしい。
「でも、恋人だとは思ってもいいんだろ?」
甘い声。恥ずかしすぎて、リアンの顔が見れない。
「う、うん」
頷いたら、指先が触れた。ギュッと手を握られて、エリシュカは小さな幸せを実感する。