没落人生から脱出します!
レイトン商会のコタツなる新しい魔道具が売り出されたのは、冬の初めだ。
最初に食いついてきたのが、カレルの街のテラス席もある食堂である。
「これからの季節、外のお客様が激減するんだよね」
これまでは、冬はテラス席を閉め、店内だけで営業していたのだが、コタツを導入することによって、天気さえよければテラス席でも営業できるのではないかという相談だった。
「足もとはコタツでカバーできますが、上半身はやはり寒いと思いますよ」
エリシュカは『魔女の箒』で接客対応中だ。木材の管理は週に一度現場を見に行き、世話役と打ち合わせをすればいいので、残る日はブレイクやリアンと商品開発にいそしんだり、出張販売員として『魔女の箒』で勤務したりしている。
「そうかぁ。じゃあ無理かね」
「でも風さえ遮れれば、いいアイデアだと思います。テラス席は景色がいいですし、一定の人気はありますよね。お店にとっても、通りすがる人に対して宣伝にもなるでしょうし。そこで提案なんですが、防風の効果を付けた衝立を併用するのはいかがでしょう。追加で費用はかかりますが、効果はこの方があがるのではないでしょうか。かかる費用を一覧にしてお出ししますので、よく吟味していただきたいです。可能なら、一度現場を見させていただいても構いませんか?」
「ああ。でも、あんまり高かったら俺らには無理だし、来てもらって買わないんじゃ悪いしなぁ」
「そんなことありませんよ。場所を見て、提案するのは私の勉強にもなりますから。ぜひ拝見させてください」
「そうかい? じゃあ」
最初に食いついてきたのが、カレルの街のテラス席もある食堂である。
「これからの季節、外のお客様が激減するんだよね」
これまでは、冬はテラス席を閉め、店内だけで営業していたのだが、コタツを導入することによって、天気さえよければテラス席でも営業できるのではないかという相談だった。
「足もとはコタツでカバーできますが、上半身はやはり寒いと思いますよ」
エリシュカは『魔女の箒』で接客対応中だ。木材の管理は週に一度現場を見に行き、世話役と打ち合わせをすればいいので、残る日はブレイクやリアンと商品開発にいそしんだり、出張販売員として『魔女の箒』で勤務したりしている。
「そうかぁ。じゃあ無理かね」
「でも風さえ遮れれば、いいアイデアだと思います。テラス席は景色がいいですし、一定の人気はありますよね。お店にとっても、通りすがる人に対して宣伝にもなるでしょうし。そこで提案なんですが、防風の効果を付けた衝立を併用するのはいかがでしょう。追加で費用はかかりますが、効果はこの方があがるのではないでしょうか。かかる費用を一覧にしてお出ししますので、よく吟味していただきたいです。可能なら、一度現場を見させていただいても構いませんか?」
「ああ。でも、あんまり高かったら俺らには無理だし、来てもらって買わないんじゃ悪いしなぁ」
「そんなことありませんよ。場所を見て、提案するのは私の勉強にもなりますから。ぜひ拝見させてください」
「そうかい? じゃあ」