没落人生から脱出します!
* * *
ブレイクは、国王陛下に呼ばれ王城を訪れていた。
政務官に通された場所は、国王の執務室だ。通常、公的な呼び出しであれば謁見室に連れていかれるはずなので、ブレイクは意外に思う。
「失礼いたします。ブレイク・セナフル、参りました」
深々と頭を下げると、「挨拶は構わぬから表を上げよ」と声が返ってくる。
顔を上げれば、そこには国王だけではなく、宰相と財務大臣アルダーソン侯爵の姿もあった。
「……私にどのようなご用件だったのでしょう」
あまりに不思議な面子の中に呼び出され、ブレイクは疑問だらけだ。
「まあ座れ。長旅ご苦労だったな」
「いえ」
「今日は内々に話があるのだ。そうかしこまらんでもいい」
そう言われても、ただの一商人であるブレイクが国王と同じ目線の高さで話をするのは、さすがに落ち着かない。
ブレイクは頭を下げながら、示されたソファに腰掛けた。
すぐにメイドが入ってきて、お茶を入れて出ていく。
四人以外の姿が消えると、国王はおもむろに話し出した。
「この度の高魔力製造装置『森の息吹』の開発は、全国民を救う重大な発明品だ」
「ありがとうございます」
高魔力水のおかげで、国民の体調不良の大半が、初期段階で治っている。
「あれはもともと、妻を救うために始めた研究ですから、陛下にお褒めいただくものではありません」
「いやいや、きっかけはどうだろうと、君の魔道具で多くの者が救われたという事実が大事なのだ」
ブレイクは、国王陛下に呼ばれ王城を訪れていた。
政務官に通された場所は、国王の執務室だ。通常、公的な呼び出しであれば謁見室に連れていかれるはずなので、ブレイクは意外に思う。
「失礼いたします。ブレイク・セナフル、参りました」
深々と頭を下げると、「挨拶は構わぬから表を上げよ」と声が返ってくる。
顔を上げれば、そこには国王だけではなく、宰相と財務大臣アルダーソン侯爵の姿もあった。
「……私にどのようなご用件だったのでしょう」
あまりに不思議な面子の中に呼び出され、ブレイクは疑問だらけだ。
「まあ座れ。長旅ご苦労だったな」
「いえ」
「今日は内々に話があるのだ。そうかしこまらんでもいい」
そう言われても、ただの一商人であるブレイクが国王と同じ目線の高さで話をするのは、さすがに落ち着かない。
ブレイクは頭を下げながら、示されたソファに腰掛けた。
すぐにメイドが入ってきて、お茶を入れて出ていく。
四人以外の姿が消えると、国王はおもむろに話し出した。
「この度の高魔力製造装置『森の息吹』の開発は、全国民を救う重大な発明品だ」
「ありがとうございます」
高魔力水のおかげで、国民の体調不良の大半が、初期段階で治っている。
「あれはもともと、妻を救うために始めた研究ですから、陛下にお褒めいただくものではありません」
「いやいや、きっかけはどうだろうと、君の魔道具で多くの者が救われたという事実が大事なのだ」