没落人生から脱出します!
夜、風呂にも入り終え、エリシュカが部屋でくつろいでいると、隣のリアンの部屋件作業場から、なにやら音がする。
エリシュカの助言が役に立っているのか、リアンは最近創作意欲にあふれている。
次々と作られる試作品は、エリシュカをワクワクさせる。ニホンの道具が、この世界でも出来上がっていくのが楽しくて仕方ないのだ。
(次は何を作ってるんだろう)
エリシュカはこっそりと隣の部屋に向かった。
「リアン」
「ん?……は? エリシュカ?」
なぜかリアンが顔を赤くしている。エリシュカは「入ってもいいですか」と扉を開けて彼に笑いかける。
「夜は部屋にいろって、言ってるだろ!」
「だって。なにを作っているのか気になるんですもん」
「だったらせめて、ちゃんと服を着ろ!」
エリシュカが着ているのは、夜着にしているシャツとズボンだ。かつらは外し、髪は下ろしている。特段、おかしな格好をしているつもりはない。
「着てますよ?」
「薄着だ! もっと着ろ」
リアンのシャツを投げつけられる。別に寒くはないのにと思いつつ、怒られるのは嫌なので、エリシュカは渋々上からシャツを着た。
「これでいいですか? で、なにを作っているんですか?」
リアンは魔石の加工をしていた。すっかり色が抜けているので、これは魔力が空になった魔石なのだろう。ここで働くようになってから知ったことだが、空の魔石にはいろいろ利用価値がある。魔力を貯める器にもなるし、特殊な方法で呪文を刻み込めば、魔力を通すことによって呪文を発動させる装置のような使い方もできるのだ。
魔石に書かれる呪文によって、効果がもちろん変わる。コンロは火魔法、洗濯機は水魔法、子ネズミもとい電話は風魔法が使われているらしい。
エリシュカの助言が役に立っているのか、リアンは最近創作意欲にあふれている。
次々と作られる試作品は、エリシュカをワクワクさせる。ニホンの道具が、この世界でも出来上がっていくのが楽しくて仕方ないのだ。
(次は何を作ってるんだろう)
エリシュカはこっそりと隣の部屋に向かった。
「リアン」
「ん?……は? エリシュカ?」
なぜかリアンが顔を赤くしている。エリシュカは「入ってもいいですか」と扉を開けて彼に笑いかける。
「夜は部屋にいろって、言ってるだろ!」
「だって。なにを作っているのか気になるんですもん」
「だったらせめて、ちゃんと服を着ろ!」
エリシュカが着ているのは、夜着にしているシャツとズボンだ。かつらは外し、髪は下ろしている。特段、おかしな格好をしているつもりはない。
「着てますよ?」
「薄着だ! もっと着ろ」
リアンのシャツを投げつけられる。別に寒くはないのにと思いつつ、怒られるのは嫌なので、エリシュカは渋々上からシャツを着た。
「これでいいですか? で、なにを作っているんですか?」
リアンは魔石の加工をしていた。すっかり色が抜けているので、これは魔力が空になった魔石なのだろう。ここで働くようになってから知ったことだが、空の魔石にはいろいろ利用価値がある。魔力を貯める器にもなるし、特殊な方法で呪文を刻み込めば、魔力を通すことによって呪文を発動させる装置のような使い方もできるのだ。
魔石に書かれる呪文によって、効果がもちろん変わる。コンロは火魔法、洗濯機は水魔法、子ネズミもとい電話は風魔法が使われているらしい。