没落人生から脱出します!
「さて。君たちに質問だ。彼はずいぶん前からここにきているのかな?」
「いいえ、二度目です。実は……」

 ブレイクの問いかけに、リアンが代表して、魔道具が中古店で売られていたこと、その縁で調整に向かった屋敷でフレディにあったことを伝えた。

「そうか。中古店に出回っているのも問題だなぁ。……それと、リーディエ」
「はい」
「君は気づいた?」

 彼が聞いているのが、フレディとの血縁関係だというのは、すぐに分かった。リーディエは頷く。

「彼が、私の異母弟だということですか?」
「そう。……まあ、その瞳の色は珍しいもんね。君が知りたいなら教えてあげる。たぶん、バンクス男爵は言えないだろうから」
「本当に、バンクス男爵が私の父なんですか?」
「血縁上はね。育ててもいないのだから、僕は父とは呼べないと思うけれど」

 ブレイクはバッサリ言うと、小さく微笑んだ。

「フレディ君は、見かけ通りの年齢じゃない。実はリーディエ、君より二歳ほど年上、……二十一歳なんだ」
「……え?」

 フレディはどう見ても十五歳くらいだ。エリシュカの弟たちと同じくらい。精神的にはそれより幼い印象さえあった。

「あまり知られていないけれど、魔力欠損病という病がある。体内で、魔力の生成がうまくできなくなる現象だ。人間は魔力が行き届かないと生命活動が維持できないんだ。だから魔力欠損病になったものは遠からず死ぬ。どれくらい長く生きるかは、これまでの蓄えに寄るけどね」

 聞いたことのない病だ。発症数は多くはないのだろう。
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