かりそめの関係でしたが、独占欲強めな彼の愛妻に指名されました
「澪、体、平気……?」
「ん……は、い……」
桐島さんの体にしがみつくように抱き着く。
気持ちよさにどうにかなりそうな頭で、ここまで体を預けられるひとなんて、この先絶対にいないと確信していた。
情事のしっとりとした雰囲気が残るベッド。一気に緊張から解放されたからか、体に力が入らない私を、桐島さんは思い切り甘やかした。
体は大丈夫かだとか、喉は乾いていないかだとか、甲斐甲斐しくお世話をする姿は思わず笑みがこぼれるほどだった。
でも、大事にされていることが十分なほどわかり、それも嬉しい。
「明日も休みだし、ゆっくり休んで。俺としては、陸がうるさくないなら泊まっていってほしいんだけどね」
「……少し考えさせてください」
気持ち的には泊まっていきたいところだけれど、陸の騒ぐ顔を思い浮かべると今から対応が面倒くさい。
上半身だけなんとか起こし、膝に顔を埋めてどうしようか考えていると上からふわっとなにかをかけられる。
「羽織ってていいよ」
渡されたシャツを、下着の上から着させてもらう。
桐島さんは、いつの間にかTシャツにスウェットを身に着けていた。おかげで目のやりどころに困らずに済んでよかった。
私の隣に座った桐島さんが、私の髪を撫でながら言う。