かりそめの関係でしたが、独占欲強めな彼の愛妻に指名されました
営業店だとお店に残る人数問題もあるし割ときっちりシフトされているけれど、事務の私たちは自由だ。混み合っている正午前後を避け、適当にとっている。
ちなみに休憩スペースといっても、四角い四人掛けのテーブルが置かれただけのフリースペースだから、食事は各自持込みだ。
お弁当を持ってくる人もいれば、近くのコンビニやファストフードを買ってくる人もいる。私は基本的にはなにかしら買った物を持ち込むけれど、たまに、外に食べに出たりもする。
さっきお弁当屋さんで一緒に買ってきた天丼をつつきながら「二十八かー……もうすぐそこだなぁ」とぶつぶつ言っている紗江子を眺め、ペットボトルのお茶を飲む。
急に〝結婚〟だとか〝二十八〟なんて言いだした原因はたぶん、午前中のアレだろうなぁと予想していると。
「っていうかさ、女のテッペンが二十八って誰が言いだしたの? その考えおかしくない? なんで一番輝いている時期をまったく知らない他人が決めるの? 個体差だって当然あるのに一括りに二十八なんて数字出すのは間違ってると思う」
紗江子が急に眉を吊り上げる。
話が逸れた先でヒートアップしそうになっているのを「そんなことより」と止めてから本題を聞く。