かりそめの関係でしたが、独占欲強めな彼の愛妻に指名されました


「まぁ、ずっとって言っても、再会してからのこの二、三ヵ月くらいだけど。でも、高校の頃も彼女はいなそうだったし、俺の知る限りは興味ない感じだな。あれかな。モテすぎて女が嫌になってるとか」
「……元から恋愛に対して淡泊だったりするのかもね。なんか、本当に誰もいないならもったいないね。付き合った相手をすごく大事にしそうなのに」

あの微笑みと、耳が溶けそうと噂の声で、でろっでろに甘やかしそうだ。

それは紛れもない本心だったのだけれど。
思わず声になったせいで、テンションをあげた陸の「だよな! だから澪と――」というプレゼンを聞くはめになったのだった。



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