東京ヴァルハラ異聞録
「うわあああああっ!!テメェッ!!ぶっ殺してやる!!」


麻衣の亡骸を床に横たわらせ、武器を構えて高山真治に向かって走り出した拓真。


「よせっ!正面から行くな!!」


怒りで我を失い、目の前の敵に襲い掛かった。


「まずいっ!」


そう感じて、高山真治に駆け寄ったが。


それよりも速く、高山真治の日本刀が、拓真の胸に突き刺さったのだ。


「がはっ……でも、ただでは……」


吐血し、ニヤリと笑い、高山真治の右腕に短剣を突き立てた。


「ぐっ!」


捨て身の攻撃を回避する事も出来ず、高山真治の右腕はそのまま切断されたのだ。


「ざまぁ……みやが……」


そう言いながら倒れ、床にうつ伏せになった瞬間、光の粒に変化した拓真。


「参ったな……右腕をやられたか。仕方ない、左腕でやるしかないな」


日本刀を持ち替え、何事もなかったかのように俺を見た。


拓真……麻衣。


俺の友達。


それが、こんなにもあっさりと殺されるなんて。


そういうレベルの戦いだとはわかっていた。


だけど、これはあまりにも一方的じゃないか。


これが……願いを叶える為の代償だというのか。
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