東京ヴァルハラ異聞録
「さらに力が上がった?どうして……」


高山真治がポケットから、PBTのような端末を取り出した。


PBTと似ているが……形が違う。


「星……6!?レベルはなしか。創造主の俺が知らない力があるなんて。面白い」


そう言って笑い、端末を操作すると、高山真治の右腕が再生した。


「いいんですか?そんな事をしたって、すぐに斬り落としますよ?」


「……本気のようだな」


日本刀を右手に持ち替え、俺の攻撃に備える。


「じゃあ、行きます」


そう言うと同時に距離を詰め、高山真治の右腕を下から斬り飛ばした。


日本刀を持ったままの右腕が、弧を描いて宙を舞った。


「なんだと!?」


だが、高山真治の反応も速かった。


すぐさま飛び上がり、その右腕を掴むと、下にいる俺に向かって日本刀を振り下ろしたのだ。


俺は鞘を振り上げて攻撃を弾き、素早く日本刀を納めた。


「俺は……元の世界に帰る!!皆で一緒に!!」


溜めの時間が短縮されて、一気に鞘から日本刀を引き抜いた。


「……飛び上がったのは失敗だったか」


光が高山真治に向かって一直線に伸びる。


一撃。


今まで届かなかった攻撃が、高山真治を分断し、まるで消し飛ぶように消滅したのだ。
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