東京ヴァルハラ異聞録
「勝った……のか」


あっという間の出来事だった。


星6の武器が、これほどまでに強い物だとは思いもしなかった。


だけどこれで、俺の願いは叶うんだ。


「沙羅、恵梨香さん……終わりましたよ」


「昴少年……その力は一体。いや、ここまで来て何も聞くまい。超えたのだな、真治少年を」


少し寂しそうな表情を浮かべ、俺の肩に手を置いた恵梨香さん。


実感はないけど、高山真治を倒したんだ。


「昴くん、これで……願いは叶うんだね」


「ああ、これできっと……」


沙羅と出会って、願い続けた想い。


それがいよいよ叶う時が来たんだ。






「お見事でした、結城昴さん。北条恵梨香さん。黒崎沙羅さん。あなた達の力、確かに見届けました。願いに……間違いはありませんね?」







俺の背後、先程高山真治に刺されたはずのクイーンが起き上がって、俺達に向かってそんな事を言ったのだ。


「クイーン!?」


思わず武器を構えたが、どうやら戦闘の意思はないようで。


「願いに、間違いはありませんか?」


そう尋ねるクイーンに、俺は頷いた。


「そうですか。それでは、我が主にお会い下さい。こちらへどうぞ」
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