東京ヴァルハラ異聞録
「日没だもんね。でも、それだと私達も移動が困難になるわ。距離感も掴みにくくなるし……」
血のように真っ赤な空から、青黒い空へと移り変わって行っている。
俺は夜でも見えないわけじゃない。
日本刀のおかげか、暗い所でも人の顔がわかるくらいには見えるんだけど。
やはり、地上を行く方が安全なのかもしれないな。
そう思い、向かいのビルを見上げた時だった。
見覚えのある顔が二人。
ビルからビルへと飛び移る影。
一人が、もう一人を肩に担いで移動をしている。
あの顔は……忘れるはずがない!!
その人物が担いでいる人を見て、俺は声を上げずにはいられなかった。
「沙羅!!」
あいつ、沙羅に何をした!
同じ軍の人間だろ!
味方のはずだろ!!
「え!?昴くん!?」
梨奈さんが声を出した時には、俺は沙羅を追い掛けて隣のビルに飛び移っていた。
北軍の弓矢隊がいるけれど、そんな事は言っていられない。
「沙羅に……沙羅に何をした!!答えろ……秋本!!」
秋本の後を追い掛けていた俺がそう声を張り上げると、先を行く秋本が足を止めた。
ゆっくりと振り返り、ハルベルトを俺に向けて待ち構えたのだ。
血のように真っ赤な空から、青黒い空へと移り変わって行っている。
俺は夜でも見えないわけじゃない。
日本刀のおかげか、暗い所でも人の顔がわかるくらいには見えるんだけど。
やはり、地上を行く方が安全なのかもしれないな。
そう思い、向かいのビルを見上げた時だった。
見覚えのある顔が二人。
ビルからビルへと飛び移る影。
一人が、もう一人を肩に担いで移動をしている。
あの顔は……忘れるはずがない!!
その人物が担いでいる人を見て、俺は声を上げずにはいられなかった。
「沙羅!!」
あいつ、沙羅に何をした!
同じ軍の人間だろ!
味方のはずだろ!!
「え!?昴くん!?」
梨奈さんが声を出した時には、俺は沙羅を追い掛けて隣のビルに飛び移っていた。
北軍の弓矢隊がいるけれど、そんな事は言っていられない。
「沙羅に……沙羅に何をした!!答えろ……秋本!!」
秋本の後を追い掛けていた俺がそう声を張り上げると、先を行く秋本が足を止めた。
ゆっくりと振り返り、ハルベルトを俺に向けて待ち構えたのだ。