東京ヴァルハラ異聞録
直樹さんは出会ってすぐにいなくなった。
とはいえ、知り合いが目の前で殺されるのはいい気がしない。
俺がもっともっと強くて、この二人の間に割って入れるようなら、直樹さんは死ななかったかもしれないのに。
「一つ、聞いてもいい? どうして今の人を殺したの?無抵抗で、助けまで求めていたのに」
そんな事を考えていると、死神が男にそう尋ねた。
声の細さから、女性だと判断するけど。
いや、それよりも、この街でそんな考え方をする人がいたのかと、軽くショックを受けた。
「どうしてって……敵だから。敵を殺せば俺が強くなる。そして、殺さなければ俺が飢える!簡単な答えだろ!」
そう、この男が言っている事が、普通の考えだと思っていた。
「そう。そして私も殺すのね?」
「ああ、敵だからな」
短い会話を交わした後、男がロングソードを構えて、グッと腰を落とす。
お、思った瞬間。
男は死神に急接近し、ロングソードを横に振っていたのだ。
だが、その攻撃を死神は受け止める。
こちらからではどうやって受け止めたのかわからないけれど、甲高い金属音が聞こえた。
そして、死神がそこを支点に身体をひるがえし、逆立ちのような体勢になった。
とはいえ、知り合いが目の前で殺されるのはいい気がしない。
俺がもっともっと強くて、この二人の間に割って入れるようなら、直樹さんは死ななかったかもしれないのに。
「一つ、聞いてもいい? どうして今の人を殺したの?無抵抗で、助けまで求めていたのに」
そんな事を考えていると、死神が男にそう尋ねた。
声の細さから、女性だと判断するけど。
いや、それよりも、この街でそんな考え方をする人がいたのかと、軽くショックを受けた。
「どうしてって……敵だから。敵を殺せば俺が強くなる。そして、殺さなければ俺が飢える!簡単な答えだろ!」
そう、この男が言っている事が、普通の考えだと思っていた。
「そう。そして私も殺すのね?」
「ああ、敵だからな」
短い会話を交わした後、男がロングソードを構えて、グッと腰を落とす。
お、思った瞬間。
男は死神に急接近し、ロングソードを横に振っていたのだ。
だが、その攻撃を死神は受け止める。
こちらからではどうやって受け止めたのかわからないけれど、甲高い金属音が聞こえた。
そして、死神がそこを支点に身体をひるがえし、逆立ちのような体勢になった。