東京ヴァルハラ異聞録
超高速の刃が、光を放つかのように鞘から飛び出した。


威力も速度も、全く別物の斬撃。


この一撃で三宅を両断する!


と、思ったけれど、俺の斬撃は空を切り、周囲で見ているゼロ・クルセイダーズを両断したのだ。


「来ると思ってたぜ!どんな攻撃も、当たらねぇと意味がねぇよなぁ!!」


日本刀の下を潜るスライディング。


直樹さんとの戦いで放った一撃を見ていたからか、三宅は俺の攻撃を予測して回避した。


そのまま俺の左足を蹴り、バランスを崩して地面に倒す。


「くっ!」


倒れた状態で日本刀を振り下ろすが、三宅は左の拳でそれを受け止める。


そして右の拳が俺の顔面に振り下ろされた時。


「私を忘れてんじゃないよ!」


川本のローキックが、三宅の顔面を捉えて後方に弾き飛ばしたのだ。


武器ではない、生身の足での攻撃。


それでもこれ以上ないというくらいのタイミングで、綺麗に入った。


「クソが!!俺の顔を蹴りやがって!許さねぇぞ!」


ダメージはほとんどないものの、プライドが傷付いたと言うべきか。


まあ、川本救出の為に散々邪魔をして、三宅のプライドはズタズタだろうけど。
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