東京ヴァルハラ異聞録
「前回は油断してたけど、今回は私も本気だよ。二度とあんな情けない戦いをするもんか」


こうなると、敵軍とは言え星5レアの人は心強い。


武器を進化させたばかりの俺からすれば、皆先輩と言うか、俺よりも強い人達ばかりだ。


それゆえに油断する事や手を抜く事もあるだろうけど、一度火が点くと手が付けられなくなる。


「はっ!テメェらごときが俺の相手になると思うなよ!俺は三宅零!ゼロ・クルセイダーズのリーダーで、篠田武久の跡を継ぐ男だ!!」


自分に気合いを入れたのか、そう叫び、拳に力を集めるかのように震わせる。


何か……来る!


ただならぬ力を感じた俺は、日本刀を鞘に納めて、居合の構えを取った。


「川本!分散!」


声を上げると同時に、三宅の左側に回り込むように移動を始めた俺に、三宅の視線が付いてくる。


「見せてやるよ!!篠田が最強の名を欲しいままにした光速の拳を!!打たれた事に気付かず死ねっ!!」


一度、カラオケ店の三階で戦った時に食らったあの技か!?


拳が光ったと感じた時にはもう遅い!


完全に俺を標的にしているから、相手が光速ならあれをぶつけるしかない!


そう判断し、日本刀の柄に手を掛けて三宅を睨み付けた。
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