東京ヴァルハラ異聞録
「美佳……テメェ何やってんだコラァァァッ!!」


美佳さんの方を向いて怒鳴った三宅に、川本が迫った。


「回復したならもう一度くたばっちまえ!!」


そう言って放つ高速連打。


三宅の身体がまるでサンドバッグのように、一方的に殴り付けられる。


「これはあの時のお返しだ、受け取れよ!」


川本の攻撃は続く。


三宅の右腕を掴むと、その肘に下からのパンチを放ったのだ。


骨が砕ける音が聞こえる。


だけどそれで終わりじゃない。


今度は手を振り上げ、手刀を振り下ろしたのだ。


刃物のような鋭い攻撃じゃない。


それゆえに痛みは想像を絶するだろう。


ブチブチと肉がちぎれる音が聞こえ、三宅の腕が切断されたのだ。


一瞬の隙が命取り。


三宅は、矢がPBTを貫いた事で動揺し、意識が目の前の俺達から逸れてしまったのが敗因だった。


散々殴られ、大ダメージを負った三宅が地面に倒れる。



「お、おい……三宅さんがやられたぞ」


「西軍の頂点を目指すんじゃなかったのかよ!どうするんだこれから!」



さすがに、お祭り気分で騒いでいたゼロ・クルセイダーズの人達も騒ぎ始めたようだ。
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