東京ヴァルハラ異聞録
千桜さんと一緒に来た人の中には、俺の知っている顔もちらほら。


悟さんに愛美、籾井さん。


それに、嵐丸さんや橋本さんもいる。


その中に、一際目立つ綺麗な顔立ちの女性が。


「これは……どういう事ですか?ゼロ・クルセイダーズが……三宅がこの少年によって倒されたと?」


「え、あ、いや……どういう事ですか、説明してくださいわたるくん!」


女性に尋ねられ、慌てた様子で千桜さんが俺に尋ねる。


「昴くんがやっつけたんだよ。凄かったんだから!」


俺の代わりに美姫が口を開いたけど、それにも千桜さんは驚いて。


「み、美姫さんまでなんでここに!自分が誘拐されそうになってたのがわかってるんですか!?」


千桜さんの動揺が尋常じゃない。


三宅を倒したのが……そんなに悪かったのか?


「……私達は、橋本さん達侵攻部隊と協力してゼロ・クルセイダーズを倒すという予定でしたよね?それが、こんな少年の手で潰される程度なら、私達は必要なかったのではないですか?橋本さんの部隊だけでも潰せたのでは?」


「それはこっちのセリフだぜ。そうやってこちらが消耗したところで、勢力を拡大しようって魂胆だろう?お前の考えそうな事だな、月影」


「それはお互い様でしょう?」


橋本さんと言い争ってる女性が月影。


嵐丸さんを従えているという女性か。
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