東京ヴァルハラ異聞録
方針が決まり、ビルから出た俺達は秋葉原に向かう事に。


美姫が力を使い過ぎて空腹だと言ったから、途中で食事をして。


満腹になった美姫は嬉しそうで、サイキッカーだと知らない皆は呆れ気味にその様子を見ていた。


そして、歩いて秋葉原。


途中で雨は止み、万世橋を渡って例のカラオケ店の近くまでやって来た。


「やれやれ。秋葉原に戻ってからまだ半日しか経ってないのに、色んな事がありすぎだろ」


もうすぐ日暮れ。


空は暗くなり始めているけれど、それとは対照的に街は明るくなる。


「月影がわたるくんを新たな脅威と言った意味がわかりますね。まさか偵察に行ってそのままゼロ・クルセイダーズを壊滅させるとは」


「裏を返せば、結城一人で出来た事を、面倒臭がって動かなかったやつらが面子を潰されたって事だろ?こいつを脅威に仕立て上げれば、『凄く強いやつが、一つの勢力を潰した』って体裁は整えられるわけだから」


愛美が言った事が正しいとなると、俺は上手く利用されただけか。


そんな事はどうでもいいけど、一つの勢力のトップともなれば体裁は大切なんだろうな。


なんて考えて、カラオケ店に入ると……一階のロビーには、あの人が椅子に座って待っていた。
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