東京ヴァルハラ異聞録
千桜さんと悟さんが揉めるのを見て、御田さんが首を横に振る。
「お前達は黙って見ていろ。これは、篠田武久という男が想いを託した、結城昴という男の力を見る為の戦いじゃ。部外者は引っ込んどれ!」
その、殺意に満ちた目を向けられて、千桜さんも悟さんも気圧されたように壁際まで後退した。
俺の戦い……か。
篠田さんに託された帽子を撫で、その手で日本刀を取り出した俺は、すぐに鞘に納めた。
「わかりました、御田さん。奥に行けば、通してくれるんですよね?」
「ああ。じゃが、ワシはお前を殺すつもりでやるからな?死にたくなければお前もワシを殺す気で来い」
御田さんの強さは、一緒に戦った事があるからわかる。
篠田さんとは違った、「西軍の厄災」という言葉の意味がわかるほどの強さを持った人だ。
それこそ死ぬ気で戦わければ、一瞬で勝負がついてしまう。
「……行きます」
「来てみろ」
しばらく睨み合い、日本刀の柄に手を添えたまま御田さんに向かって走る。
それに反応して、斧の石突きで俺を迎え撃つ。
凄まじい速度で眼前に迫る石突きを、ギリギリの所で頭を傾けて回避するが、すぐさま御田さんは斧を回転させて、反対方向から斧刃を俺の首に滑り込ませた。
「お前達は黙って見ていろ。これは、篠田武久という男が想いを託した、結城昴という男の力を見る為の戦いじゃ。部外者は引っ込んどれ!」
その、殺意に満ちた目を向けられて、千桜さんも悟さんも気圧されたように壁際まで後退した。
俺の戦い……か。
篠田さんに託された帽子を撫で、その手で日本刀を取り出した俺は、すぐに鞘に納めた。
「わかりました、御田さん。奥に行けば、通してくれるんですよね?」
「ああ。じゃが、ワシはお前を殺すつもりでやるからな?死にたくなければお前もワシを殺す気で来い」
御田さんの強さは、一緒に戦った事があるからわかる。
篠田さんとは違った、「西軍の厄災」という言葉の意味がわかるほどの強さを持った人だ。
それこそ死ぬ気で戦わければ、一瞬で勝負がついてしまう。
「……行きます」
「来てみろ」
しばらく睨み合い、日本刀の柄に手を添えたまま御田さんに向かって走る。
それに反応して、斧の石突きで俺を迎え撃つ。
凄まじい速度で眼前に迫る石突きを、ギリギリの所で頭を傾けて回避するが、すぐさま御田さんは斧を回転させて、反対方向から斧刃を俺の首に滑り込ませた。