東京ヴァルハラ異聞録
西軍最強の男
沙羅と別れて俺は、美佳さん達のいるホテルに戻った。
どうやら、この短時間で弓の扱いに慣れたらしく、撤退する南軍を相手に戦おうという事になり、俺達は外に。
「さて、美佳はどうにかなるとして、昴くんは大丈夫?本当に戦える?」
心配そうに俺の顔を覗き込む梨奈さん。
沙羅に出会わなければ、戦うことに否定的なままだったかもしれない。
戦いたくないという思いはまだあるけど、沙羅の強さに、優しさに触れて、ただ口で戦闘を否定するだけでは生きていけないと理解したつもりだ。
何より……俺は、沙羅に認められたいのかもしれない。
あの無邪気な笑顔をもう一度見たいと思ったから。
好きになったとかじゃない。
あの、心を癒してくれるような笑顔に包まれたい。
「大丈夫です。行けます」
左手で鞘を持ち、目の前で日本刀を抜き、俺はそう答えた。
「何よ何よ昴くん。さっきまでブルブル震えてたのに、随分男らしくなったじゃない。何かいい事でもあった?」
美佳さんがそう茶化すけれど、そんなに変わったかな。
俺としては、これでやっとスタートラインに立てたようにしか思えないけれど。
どうやら、この短時間で弓の扱いに慣れたらしく、撤退する南軍を相手に戦おうという事になり、俺達は外に。
「さて、美佳はどうにかなるとして、昴くんは大丈夫?本当に戦える?」
心配そうに俺の顔を覗き込む梨奈さん。
沙羅に出会わなければ、戦うことに否定的なままだったかもしれない。
戦いたくないという思いはまだあるけど、沙羅の強さに、優しさに触れて、ただ口で戦闘を否定するだけでは生きていけないと理解したつもりだ。
何より……俺は、沙羅に認められたいのかもしれない。
あの無邪気な笑顔をもう一度見たいと思ったから。
好きになったとかじゃない。
あの、心を癒してくれるような笑顔に包まれたい。
「大丈夫です。行けます」
左手で鞘を持ち、目の前で日本刀を抜き、俺はそう答えた。
「何よ何よ昴くん。さっきまでブルブル震えてたのに、随分男らしくなったじゃない。何かいい事でもあった?」
美佳さんがそう茶化すけれど、そんなに変わったかな。
俺としては、これでやっとスタートラインに立てたようにしか思えないけれど。