東京ヴァルハラ異聞録
「こっちから申請するからな」


光輝がそう言い、PBTを取り出して何やら操作する。


そして、俺のPBTから電子音が聞こえ、ポケットから取り出して画面を見ると、「決闘申請が届きました」という表示。


「承諾」と「拒否」という項目があって、俺は承諾という方にタッチした。


すると、光輝から放たれた光が、俺に向かって伸びる。


そして、俺と光輝を光が包むと、カウントダウンが目の前に表示されたのだ。


どんどん減る数字に、俺は慌ててPBTをポケットに入れ、日本刀を取り出した。


「良いか、昴。相手の動きを良く見ろ。タケさんの動きを見る事が出来たんだろ?勝機があるとすれば、そこだ」


「わ、わかりました」


目の前の数字が0になった。


と、同時に光輝が急接近し、俺に細身の剣を突き付ける。


「!!」


左胸、心臓を目掛けて切っ先が迫る!


慌てて身体を捻り、それを避けようとするけど、完全には避け切れずに左肩をかすめた。


鋭い痛みが走る。


「ぐっ!!このっ!」


その勢いのまま、光輝目掛けて日本刀を振るう。


だがそれは、見抜かれていたかのように屈んで回避。


素早く後方に飛び退いて、距離を取ったのだ。
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