海に浮かんだ星(クリスマスの童話)

「ねぇ、ヒノ爺・・・
僕、どうしても明日行かなくちゃいけないの?」

冬の冷たい岩場に腰掛けたその少年は、

キラキラ光る虹色の尾っぽを水面にぴちゃんぴちゃんと打ち付けながら、沈んだ声を出しました。


「そうですね。
12月25日は、坊ちゃんの6回目の誕生日です。 

人魚は6歳になったら、もう暖かい海では生きられない。

だから、北の海に行かなくてはならないのですよ。」

少年の隣にそっと体を寄せている桃色大ヒトデは、優しくそう答えます。


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