東京ルミナスピラー
俺が指さして見せたのは、俺達のグループの真下にあるグループ。


軽く、俺達の10倍はあろうかという大きさだ。


「そいつは……『拳帝』のグループだな。西軍で最強と言われる篠田(しのだ)が頭のとこだ。ランキングを見ただろ? お前と灯ちゃんの親父さんの下に名前があるはずだ」


つまり……この街全体でも2位の力を持つってことか。


そんな人が近くにいるのは頼もしい反面、恐ろしくもあるな。


「じゃあ、こっちの灰色のは? 両国に近付くにつれて多くなってるけど。まだ縄張りにしてるグループがいないってこと?」


街の中心に近付くにつれて、灰色の量が増えている。


いや、そこだけではなく、街のいたるところにその色はあった。


「それは……鬼だ。人間だけじゃねぇ。鬼にもグループがあって、下っ端を統率してる頭がいる。昨日遭遇した木之本友里は『はぐれ』っぽかったけどな」


「『はぐれ』……ってことは、グループに属してない鬼だったってわけか」


なるほど、知れば知るほど、考えれば考えるほど、自分一人では何も出来そうにないというのがわかってくる。


北軍の父さんに会いに行くのも、一筋縄では行かなさそうだ。
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