東京ルミナスピラー
「葵……葵? 私の友達……大好きな友達。あ、あああっ! ダメだ! 闇が来る! 闇が迫って来る!」


正気を取り戻せるかと思ったけど、今度は頭を押さえて叫び始めた。


こんな蘭子は見たことないし、どうすればいいかわからない!


「夕蘭! 大和さん! ど、どうすればいい!?」


「そ、そんなこと言われたって!」


何がなんだかわからずにパニックになったその時だった。


ステージ上の壁が、派手な破壊音と共に穴が空いて人がホールに飛び込んで来たのだ。


「こ、今度は何じゃい! なにごとやねん!」


パニックにパニックを重ねて、大和さんも俺も大慌て。


「かはっ! 篠田は……篠田はいるか!?」


そしてその瓦礫の中から現れて声を上げたのは……宗司の親父さん?


「あ、あんたは秋本さん!? 北軍の狂犬がなんでこんな所におるんや!?」


そう言えば、北軍浄化会との決戦の前に、親父さんは西軍に行くって言ってたな。


タケさんと宗司が戦っている時にも姿がなかったし、どこに行ったんだろうと思ってたけど。


「え、えっと……タケさんは今死にました。そ、それがどうかしたんですか?」
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