東京ルミナスピラー
どうやら、あの警報音は起きている人に聞こえるようで、寝ている人には聞こえない親切設計のようだ。


とりあえず聖戦に参加するために、宗司を連れてホテルの外に出た俺達。


朝特有の冷たい空気が肺を刺激して、オレンジ色の太陽の光が街を照らす。


一日の中で、俺が一番好きな時間だ。


「ヘイヘイヘイ! ビービーうるせぇブザー! お前はセンターだ! 俺とピヨでお前のサイドを守ってやるから、死なないようにだけしてろよ!」


「だーっ! 昨日からギャーギャーうるせぇな! 何なんだよお前は! 年上だからってバカにしてっと、やっちゃうぞコラ!」


やっぱり、この二人は確実に相性が悪いよな。


似てるんだよ二人のタイプがさ。


「まあまあ。喧嘩は良くないよぉ。皆仲良く、同じグループなんだから」


そう言って二人の間に割って入って、ニコニコしながら二人と手を繋いだひなたさん。


その行動に驚いたのか、杉村も宗司も何も言えない様子で。


楽しそうに歩き始めたひなたさんに引っ張られるように、上野方面に移動を始めた。


なんか……凄いなひなたさん。


一触即発の二人の間に入って、全く空気を読まずに喧嘩を終わらせたよ。
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