東京ルミナスピラー
結城さんのその言葉に、嬉しそうに笑って見せる大和さん。


褒められたのが嬉しいというのもあるだろうけど、これは必要な手駒が揃ったという喜びの表情なのだろう。


「あやせくん。北軍はどうでしたか? 上手く問題を解決出来ましたか?」


その光景を微笑ましく思いながら見ていた俺に、千桜さんの言葉が鋭く突き刺さる。


しかも、相当痛いところにピンポイントで!


「えっと……北軍浄化会なんですが……ダメでした。教祖が俺の学校の先生だったんですけど、池田煌我に殺されて、説得の道を断たれてしまって」


「なんとも……津堂と言い、池田と言い、他軍に迷惑をかけるやつばかりで申し訳ありません。ほら! あなたも謝るんですよ!」


そう言って、軍勢の中にいた王我を引きずり出して頭を下げさせようとする千桜さん。


「いててて! 痛てぇってハゲ! なんで煌我のことで俺が謝らなきゃならねぇんだよ! 毛と一緒に頭のネジも抜け落ちたんじゃねぇのか!?」


「ぼ、ぼ、僕は剃っているんですよ! 誰がハゲですか!」


こんな時にわけのわからない喧嘩を始めないでくれよ。


でも確かに、煌我がやったことで王我が責められるのは可哀想な気はするな。


王我も元は極悪人だったけど。
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