東京ルミナスピラー
「るんるん。皆で仲良くお散歩してるみたいだね。聖戦なんてなかったらいいのに」


上野の光の壁の近くまでやってきた俺達は、すでに集まっている人達のいい笑いものだった。


今から聖戦が始まるって言うのに、緊張感がないのが原因だろう。


「お、おいおい……そろそろ手を離してくれない? なんか皆に見られて恥ずいんだけど」


「だって、離したらまた喧嘩するでしょ? だから、聖戦が始まるまでダメだよ」


「マジかよ……」


宗司が諦めて首を横に振る。


昔から宗司は女性に弱いんだよな。


きっとこの街に来たのも、灯に頼まれて断りきれなかったからに違いない。


それでも、俺からすれば心強かったんだけどさ。


「調子狂うぜ。作戦はさっきも言った通り、俺とピヨが前衛だ。ブザーは少し下がってセンター。ひなたちゃんは後衛で俺達の援護だ。ピヨは左側を任せるぜ」


つまり、Y字になって戦うということだな。


俺と杉村である程度敵にダメージを与えて、ひなたさんと宗司がとどめを刺すってわけだ。


すうっと息を吸い込んで、それを吐いたあと、俺は顔を上げて日本刀を取り出して口を開いた。


「わかりました。任せてください」
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