東京ルミナスピラー
そう言ってチラリと杉村を見ると、杉村もまた俺を見てニヤリと笑って見せた。


PBSの隅にあるカウントは残り10分。


まだ時間的に余裕はあるなと考えていた時だった。






「なあ、兄ちゃん達。四人で行くつもりか? もし良かったら俺も一緒に連れてってくれないかな?」






誰かが背後から俺の肩に手を置いて、そんなことを言ってきたのだ。


振り返って見ると、白い髭を生やした長身の、父さんくらいの年齢の長身の男性が、人懐っこい笑顔を俺に向けていたのだ。


「ヘイヘイ! おっさんはどこのグループだよ! てか、一人で聖戦に参加しようなんて素人だなさては!」


ひなたさんの手を離し、振り返ってその男性に指さした杉村。


「ちょ、ちょっと杉村さん! だから混ぜてくれって言ってるんじゃないの? 初めての聖戦が不安なのはわかってるでしょ」


この人は年上に対してもこんな感じなんだな。


初対面でも関係なしなところは、こっちまでヒヤヒヤしてしまうよ。


「そうそう。この少年の言う通り、不安なんだよ。だからさ、邪魔はしないから。な? いいだろ?」


「俺は良いですけど……皆はどう? 味方は多い方がいいと思うんだけどさ」
< 112 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop