東京ルミナスピラー
俺がそう訪ねると、宗司とひなたさんは頷いてくれたけど……杉村は不思議そうに首を傾げるだけ。


「不安だって言うなら、なんだって俺達みたいな少数の弱小のグループと一緒に行こうとしてんだよ。そこが腑に落ちねぇんだよな」


「簡単な理由だよ。少数の方が動きやすいし作戦の伝達も容易だろ? 俺みたいな弱い年寄りでも、少しは役に立てると思ったからさ。後、ピンチになったら逃げるのも簡単だってのもあるかな?」


確かに、人が少なければ意思疎通は簡単だと思うけど、わかってるのかなこの人。


少ないということは、それだけ一人にかかってくる負担は大きくなるってことを。


「まあわかったぜおっさん。じゃあこのブザーと一緒に真ん中にいな。俺とピヨが前衛をするからよ」


「本当かい? いやあ、悪いね無理言って。皆は俺のことをタケさんって呼んでるから、好きに呼んでくれて構わないよ」


「わかったぜおっさん。せいぜい足手まといにならないように気を付けろよ」


そんな会話をしている間も、周囲の人達は俺達を見てヒソヒソと話をしている。


ひなたさんがまた杉村と手を繋いで、異様に見えてるんだろうな。


変に目立ちたくないのに。
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