東京ルミナスピラー




『聖戦が開始されました。皆さん、頑張ってください』





ついに聖戦の時間が訪れた。


声を上げて、次々と北軍へと侵攻する西軍の人達。


「行くぞお前ら! 朝は人が少ないはずだ! 暴れてやるぜぇっ!」


杉村の声を合図に、俺達は光の壁に向かって駆け出した。


昨日の夕方の聖戦とは違い、西軍の人数も少ない。


パッと見でも30人ほどしかいないから、一人一人の力が重要であることは一目瞭然。


光の壁を抜け、北軍に入った瞬間……俺はその光景を理解するのが遅れてしまった。


北軍側にはあまり人がいないと思い込んでいたけど……光の壁を抜けた俺達の頭上に、矢の雨が降り注いだのだ。


「ひなたちゃん! 頼む!」


「任せて!」


杉村がそう言うと、ひなたさんが長い棒状の武器を取り出して、矢に向かってそれを振りかざしたのだ。


武器の先端から炎が飛び出し、降り注ぐ矢を空中で燃やし尽くす。


「ヒュー。魔法とかあるわけ? 超レアじゃないのそれ」


タケさんがひなたさんの攻撃を見て笑みを浮かべた。


矢が降ってきたのは、この通りの両側にあるビルの上から。


そして、その攻撃が終わったのを見計らって、ビルに潜んでいた北軍の人間が出てきた。
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