東京ルミナスピラー
こちらの数は多くないけど、北軍もそれほど多くはない。


「うおおおおおっ! 死ね死ね死ねっ!」


昨日とは違い、チームプレイではなく、個人が大勢押し寄せているような感じがする。


「うわわわっ! マジかよこいつらっ! 本気で殺しに来てるのか!?」


「お前も殺すつもりでやれよブザー! じゃないと死ぬのはお前だぜ!」


「くっ、くそっ! 何度も死んでたまるかよっ!」


大量に押し寄せる人の群れに対し、俺は日本刀に手を掛けてゆっくりと息を吐いた。


人と戦うのは怖い。


ましてや、命の奪い合いなんだから怖くないはずがない。


だけど、俺がもっと強くなれば、父さんや姉さんを探すことが出来る。


灯や宗司が戦わなくても良くなるかもしれないんだ。


「うっひょおおおおおっ! 隙あり! ワンキルだああああっ!」


手斧を振り上げた男が、一直線に俺に駆け寄って手斧を振り下ろした。


それよりも疾く。


一歩踏み込んで、鞘から刃を抜くと同時に、男の肩から脇腹にかけて斜めに斬り裂いて。


男は俺の背後で光の粒に変化して空中に飛び散ったのだ。


「!? な、なんだこれ……凄い」


誰よりも、その力に驚いたのは俺自身だった。
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