東京ルミナスピラー
杉村の言葉にもタケさんはフッと笑って見せて、手にメリケンサックを装着した。


「雑魚が相手でも俺様は容赦しねぇぞ! テメェらは餌だ! 弱者は強者の糧になるしかないんだ……よ?」


タケさんを指さして、調子よく演説していた田中だったけれど……。


次の瞬間、田中の身体の真ん中に大きな穴が空いて、その後方に派手に赤い液体が飛び散ったのだ。


「あー、くせぇ。お前、歯磨きしてんのかよ。年取ったら歯を大事にしねぇと、あっという間に総入れ歯だぞコラ」


「あが……がぺぺ」


左手をズボンのポケットに入れたままで、右手一本で田中を倒し、さらにはその後方にいた人達の上半身も吹き飛んで。


光の粒に変わると同時に、前方に道が開けたのだ。


あまりに一方的な展開に、取り囲んでいる北軍も、俺達でさえもその強さに唖然とすることしか出来なかった。


そして、その中の一人が思い出したかのように声を上げた。


「こ、こいつ……篠田だ! 西軍の『拳帝』、篠田武久だ! キャップを被ってないからわからなかった!」


その言葉で場に衝撃が走った。


篠田武久。


つよさランキングで、2位の人じゃないか!
< 118 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop