東京ルミナスピラー
目の前で完全に切り離された舞美さんの身体。


これで、化け物の動きは止まるはず……と、思ったけど、目の前で突然舞美さんの切断面がうごめいて、化け物の方の切断面を求めるかのように気味の悪い触手が伸びたのだ。


「な、なんだって!?」


「お前なんかに私が殺されるか! 自分の為に戦うことも出来ない臆病者が、偉そうに私に説教なんてするんじゃないよ!」


ルークの身体の肩に着地した俺に、力を振り絞るように振り上げた拳を打ち付ける。


一瞬気を取られたが、それを回避してなんとか頭部に移動する。


だけど、舞美さんを切り離したところで、それすらも再生されてしまうなら意味がない。


それにしても伊良のグラビティプリズンが効いていなければ、こんなにも思考する時間は取れなかっただろうな。


どうやらこの技は対象者にのみ効果がある技みたいで、俺は全く重みを感じない。


「あんたは一体何がしたいんだ! もしもこの先、黒井よりも強いやつが現れたら、そっちに乗り換えるつもりかよ!」


「そうさ! そうやって私は何としてでも生き延びて見せる! まずはお前を殺せば、私はきっと誰からも認められる『何か』になれるんだ!」
< 1,181 / 1,486 >

この作品をシェア

pagetop