東京ルミナスピラー
どうするか悩んでいる時に、美空ちゃんの声が聞こえた。


「美空ちゃん、本当にどうすることも出来ないのか? 津堂は、そんな化け物を生み出してしまったのかよ」


『本体を攻撃しても死なないんじゃ、どうしようもないんじゃない? だったら本体をロケットにくくりつけて宇宙に飛ばすとか、海に沈めるとかしないと、いつまで経っても再生すると思う』


言いたいことはわかるけど、再生速度が異常に早くて引き剥がしてもすぐに再生してしまうんだよ。


宇宙まで飛ばせるロケットがこんな所にあるわけがないし、現実的とはとても思えな……いや待てよ?


そこまで考えて、俺は閃いた。


「そうだな……これ以上やっても無駄なら、さっさと逃げた方が良い。俺が隙を作るから、合図したらその部屋に俺を逃がしてくれないかな?」


『えっ!? それ本気で言ってる!? やっぱり葵くんも僕の魅力には勝てなかったかぁ。うんうん、そうだよね。それは仕方がないことだよ。大丈夫、浮気じゃないよ。これは、ただの遊び。それなら罪悪感もないでしょ?』


美空ちゃんが饒舌に話している中で、俺はその隙を作る為にもう一度化け物から舞美さんの本体を切り離した。


そして、舞美さんの身体を抱き寄せて口を開いた。


「今だ美空ちゃん!」
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