東京ルミナスピラー
美空ちゃんからも舞美さんさらも責められて、俺はどうすれば良いのやら。


だけど、これしか方法が無かったと言うか、美空ちゃんがあのタイミングで話し掛けてくれなかったら思い付きもしなかった。


「それだけ焦ってるってことは、再生が出来ないんですよね? 身体から出てる触手も、2mってところですか? それ以上は伸びないみたいだし、それが限界みたいですね」


図星を突かれたようで、強気だった舞美さんの顔から余裕の色が完全に消え去った。


「ちょっと葵くん! こっちの話が終わってないんですけど! どうするのよこんな上半身しかない人をここに連れて来てさ! よりによってここに閉じ込めるなんて、私の部屋をなんだと思って……」


「ごめん美空ちゃん! なんでも一つ言うこと聞くから! だから許して!」


怒っている美空ちゃんに手を合わせて、頭を下げて必死にそう言うと、美空ちゃんはピタリと文句を言うのを止めて。


「何でも? 今、何でもって言った?」


大体どんなことを言われるか予想は出来るけど、この状況を打破するには美空ちゃんの力を借りるしか方法がないんだ。


「う、うん。何でも言うこと聞くよ」


俺がそう言うと、美空ちゃんは満面の笑みを浮かべて俺の腕にしがみついて来た。
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