東京ルミナスピラー
「お、お願い葵くん……いくら私でも、こんなところに置き去りにされたらいつか死んじゃう……いや、死ねたらいいけど、永遠にここに閉じ込められたまま生きることになるかもしれない! お願い! 私をここから出して!」


俺の言葉が効いたのか、懇願しながらこちらに向かって這ってくる舞美さん。


助けられるものなら助けたいと思うよ。


大事な仲間というのは間違いないし、舞美さんがいたから今の俺がいる。


だけど、今は放っておけば街を破壊し尽くす化け物になってしまったんだ。


俺の一時の感情だけで助けるわけにはいかない。


「舞美さん。どうして西軍の皆を……浜瀬さん達を信じなかったんですか。タケさんでも宗司でも、どちらに付くでも良いから、西軍にいてくれていれば……今のあなたを野放しにしておくことは出来ません。残念ですけど、こうするしかないんです」


「お、お願い葵くん! 私を……私を見捨てないで! 私を助けて!」


自分は負けないと思っている時と、一転して勝ちがなくなったと判断した時でここまで変われるのか。


人の命を奪うことは何とも思っていないのに、自分がいざ死ぬと思ったらこんな惨めに懇願するなんて。


「美空ちゃん、地上に行こう」


俺がそう言うと、美空ちゃんはパチンと指を鳴らした。










「お願い葵くん! 私を! こんな所に! 置いていかないで!」






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