東京ルミナスピラー
「じゃあ、約束通り僕の言うことを何でも一つ聞いてもらおうかな」


ニヤニヤと笑って俺を見る美空ちゃんに、黙って頷くしか出来なかった。


ここで「そんなこと言ったっけ?」ととぼけて、舞美さんを地上に戻されても困るし、美空ちゃんがいなければ勝てなかったのは事実だから。


「いや、それにしても解せねぇ。なんで東軍の、しかも肉体改造まで受けたやつが北条の味方をしてるんだよ。俺には裏があるようにしか思えねぇ」


伊良が腕組みをして、美空ちゃんを疑いの眼差しで見下ろすけれど、それは俺にもわからないことだ。


「何が不思議なことがあるのさ? 目の前に可愛いチェリーボーイがいる。だからこの可愛いチェリーボーイの為にお姉さんが手伝うって、そんなにおかしいこと? このバカ乳も同じなんじゃないの?」


美空ちゃんはそう言って、夕蘭の胸をぐにぐにと揉みしだいた。


「あ、いや! だから何で私の胸を!」


「戦うだけがこの街の楽しみじゃないでしょ。暴力、セックス、権力にお金。望めば何だって手に入るのに、どうして真面目に『正義の為』みたいに戦ってるのかが僕にはわからないよ。もっと楽しめば良いのに」
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