東京ルミナスピラー
美空ちゃんに連れられて、やって来たホテルの一室。
部屋に入るなり、美空ちゃんは嬉しそうにベッドに駆け寄り、その上でぴょんぴょんと跳ねて見せた。
「凄い凄い! 天井も壁も鏡張りで、どんな方向からも見えるんだね! いやらしい! でも興奮する!」
……まさか成り行きとは言え、こんな所に入る日が来るとは思わなかったな。
つまり、こんなホテルに来たってことは……そういうことだよな。
胸の灯のリングに手を当てて、呼吸を整える。
「もう、なにガッチガチになってんのよ。僕みたいな超絶可愛いお姉さんが目の前にいるのに、襲い掛からないなんて失礼だよ? 普通なら押し倒して身体中舐め回すくらいするのにさ」
こういった経験がない俺には、何が普通なのかわからなくて、戸惑いながらベッドに腰掛けた。
それを見て、呆れた様子で俺の前に移動して、俺の額を指で弾いた美空ちゃん。
「本当に意気地がないなあ。戦闘では人が変わったみたいに強くなるのに、エッチの方はてんでダメだね。でもまあ……そういうガツガツしてないところが僕は気に入ったんだけどさ」
美空ちゃんがニッと歯を見せて笑った。