東京ルミナスピラー
だけどそれは、俺達だけではなく、東軍からも侵攻しやすいということだ。


隅田川の上を走っている最中、前方から何体か鬼がこっちに向かって歩いていたが、俺が攻撃を仕掛ける前に結城さんの紫電一閃が鬼を分断した。


「葵! 爆弾はまだあるか!? 東軍からの侵攻を防ぐ為に、線路を落としてしまえ! ここがないだけでもかなりの足止めになる!」


「わかりました、ばら撒きますよ!」


結城さんに言われたように、ありったけの爆弾を線路の上にばら蒔きながら両国に向かって走った。


これで完全に爆弾が無くなったから、コンビニで補充しなければならないな。


「よっしゃ、ドカンとでっかい花火を打ち上げようぜ。隅田川花火大会にはちと早いけどよ」


父さんがそう言った直後に、俺は爆弾を起爆させた。


同時に数百もの爆弾が爆発を起こして、一瞬だけどスカイツリーの声を掻き消す爆音を轟かせて……線路は川に落ちたのだ。


「花火にしては地味だったねぇ。それよりどうするつもり? 今の爆発で、バベルの塔の周りにいたポーンやナイトが集まって来てるみたいだけど」


空中で、バベルの塔の方を見ていた美空ちゃんが尋ねるけど……俺達にはそんなやつらに構っている暇はない。
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