東京ルミナスピラー
出来るなら無視して先に進みたいけど、それが無理なら戦いながら行くしかないな。


「……美空ちゃん、そこに放置されてるトラックを超能力を使って持ち上げられるかい?」


なんて考えていると、線路の下にある道を見て、結城さんが美空ちゃんに尋ねた。


「そりゃああれくらいは簡単だよ。あ、なるほどね。お兄さんなかなか僕の力の使い方をわかってるじゃない」


「はは、それはどうも。超能力を使う仲間はいたからね。昔の話だけど」


「懐かしい話だねぇ。おっと、感傷に浸ってる場合じゃねぇや。ほら、皆荷台に乗れ。このまま一気にスカイツリーまで行くんだろ?」


美空ちゃんが浮かび上がらせたトラック。


その荷台にサッと飛び乗った結城さんと父さん。


なるほど、これなら地上の鬼達に邪魔をされずに移動出来るってわけだ。


両国に繋がる線路も落としたし、いいタイミングかもしれないな。


俺と親父さんも荷台に乗り、美空ちゃんもちゃっかり俺の横に降りると、トラックが浮いてスカイツリーに向かって移動を始めた。


「うおお……なんか変な気分。空飛ぶ車に乗って移動なんて、不思議な気分だな」


「……高層ビルから飛び降りたり、自分よりデカい化け物と戦うのも十分不思議だと思うがな」


親父さんに言われて気付いたけど、俺達は当たり前になりすぎて、不思議なことに鈍感になっていたのかもしれないな。
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