東京ルミナスピラー
「シット……あまりの凄さにチビりかけちまったぜ……なんなんだこの戦いはよ!」


「流石、1位と2位の戦いってことか……俺達の出る幕じゃない」


珍しく杉村と意見が合って、どれくらい絶望しているのかが手に取るようにわかる。


せっかく聖戦を生き抜いて、少し芽生えた自身の芽が、一瞬で摘み取られたような感覚なのだから。


「名鳥! テメェほどの男がどうして西軍のキングを狙う! 何をどうすれば良いか、お前ならわかってるんじゃねぇのか!?」


「キングの居場所がわかっているなら是非とも教えてほしいね。こんな街からは一刻も早くおさらばしたい……って気持ち、わからないわけじゃないだろ?」


「わからねぇ! テメェ一人で逃げようって気持ちはわからねぇな! 違うだろ! キングじゃねぇはずだ!」


たまに……吹雪さんや拓真もそうだったけど、俺にはわからない話をする人達がいる。


その中に父さんがいるというのは不思議な感じだけど、何となく母さんが関係しているような気がして。


俺は制服の胸の当たりを掴んだ。


「なんと言われようと、俺には西軍のキングの居場所を知る必要があるんだよね。東軍がアレじゃあ、西軍に賭けるしかないだろ!」
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