東京ルミナスピラー
不思議に思っていたんだ。


吹雪や拓真、結城さんもそうだ。


そして父さんにタケさん。


俺がこの街に来るまでに、既に3回聖戦が行われていたと考えても、強さがその回数に比例していない。


もっと長く、密度の高い戦いを繰り広げていたような気さえする。


「キングを破壊すれば俺が弱くなる……か。間違いないねそりゃ。だけどそれは本心じゃないはずだ」


話しながらでもお互いに攻撃の手を緩めることはなく、最初は回避を続けていたけど、今はそうじゃない。


少しずつ双方の攻撃が当たり始めるようになって、気付いたら二人は血塗れになっていた。


それでも、致命傷は無さそうなところに、二人の熟練の技を感じる。


「お互い、年を取ると隠し事だけは上手くなるってことだよな。融通は利かなくなるのによ」


「違いないねぇ。どうやら、あんたも俺も理由は同じみたいだねぇ」


呼吸を落ち着けて、武器を構えて向かい合った二人。


次の一撃で勝負を決めるつもりだ。


高まる緊張感の中で、俺はそう感じたけれど……。







「あー、やめやめ。冷静に考えりゃ、俺とお前が戦う理由なんてないんだよな。キングを狙ってるなら好きにすりゃあいい。俺も好きにさせてもらうからよ」
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