東京ルミナスピラー
タケさんのその言葉に、肩透かしを食らった感覚。


俺でさえそう感じているのだから、戦っている父さんは余計にそう思うことだろう。


「……一体どういうことだい、そりゃあ。まさか、油断させておいて……なんて姑息な真似をするつもりじゃないだろうねぇ?」


「まさかだろ。俺は正々堂々、正面から叩き潰すのが大好きなんだよ。卑怯な真似なんて出来るかよ」


俺の父さんとはいえ、敵軍のNO.1である人間を前に、メリケンサックを手から離して見せたタケさん。


それを見て、父さんも槍を手放してその場に座り込んだ。


「なんて……戦いだ。息が出来なかったぜ」


戦いが終わったと気付いた俺達は、緊張の糸が切れたと同時にその場に座り込み、ぶわっと額に噴き出した汗を拭った。


「ふぅ……やっぱり若い頃みたいには動けないねぇ。すぐ息が上がっちまう」


「全くだな。で、お前がキングを狙う理由ってのは何なんだよ。目指すべきはキングじゃねぇ。アレだってことはお前ならわかってるだろ」


そう言い、天高くそびえる白い柱を見上げたタケさん。


俺達も地面に腰を下ろした状態で空を見上げる。


「……わかったわかった。隠し事をしながら戦うのは俺の性にあわない。俺だって、何が正しいかなんてわからないんだからな」
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