東京ルミナスピラー
笑いながら津堂はPBTを取り出して、何やら操作を始めた。


「お前を殺すには、今の俺ではほんの少しばかり力が足りないみたいだな。煌我ほどでなくていい。ほんの少し、お前の力を超える為に俺のレベルを上げよう。このPBTは黒井から拝借したものだが、さすがはこの街を形成する元となっただけはある。強さの変化や肉体改造まで思うがままだ。この力があれば俺は……」


そう、津堂が話している最中で悪いけど、俺はトンッと地面を蹴って津堂に接近していた。


日本刀をひと振り。


それが津堂の手とPBTを切断し、ゆっくりと地面に零れ落ちた。


土の上にPBTが落下すると同時に、パチッという何かが弾けるような音が聞こえて。


「き、貴様……あぐっ! ぐううううっ! なんだこれは……身体が……い、いかん! 回復を……」


「灯がああなったのも、死んだのも全部俺のせいだ。そんなのはわかっている。だけどお前のおかげで、本当に俺のせいだって知ることが出来た。そして、その原因を作ったのはやっぱり津堂! お前じゃないか!」


PBTで何かの操作をしている途中だったからなのか、津堂の様子がおかしい。


慌ててPBSを開いて回復をしようとしていたが、そうはさせないと俺はその腕に日本刀を振り下ろした。
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