東京ルミナスピラー
津堂の両腕が切断されて地面に落ちる。


このレベルの戦いにおいては、これでもまだ油断は出来ないけれど、明らかに津堂は様子がおかしかった。


「ぐぎぎぎ……な、舐めるな小僧! 腕がなくとも回復くらい……回復くらい……どうした、なぜだ! 何が起こっているんだ!?」


腕を切断されてなお、回復をしようとした津堂の腕が、うっすらと透けて見えるくらいに現れたと思ったらそれ以上は濃くならず、さらに武器も取り出せないようだ。


言うなればそう、これはフリーズしている状態に似ている。


ゲームなんかで画面が動かなくなってしまうあれだ。


その影響は津堂だけではなかった。


宗司達が戦っていた煌我も身体から血が噴き出し、そしてゆっくりと肉体が固まるように、動きを止めたのだ。


「な、なんだ……これはどうなっているんだ! 津堂! 説明しろ!」


「PBTが破壊されて、PBTによって操作された物全てが暴走を始めたんだ。まさかこんなことが……」


俺にも何が起こったのかはよくわからない。


ただ、このPBTを破壊しなければという衝動にかられて、接近して日本刀を振るっただけだったから。
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